マクドナルド「AI広告の美少女」はなぜ「不気味の谷」を超えられなかったのか?
「生き方や感情は顔つきに現れる」と言う著述家の楠木新さん。多くの人を取材し、さまざまな「顔」に接してきた経験から、いつしか「顔の研究」がライフワークになったと言います。連載『豊かな人生を送る「いい顔」の作り方』第5回は、最近話題の生成AIが創り出す「顔」の功罪にアプローチします。 ● 生成AIによる 「顔」の再現はありなのか この夏、ファストフード大手のマクドナルドが公式X(旧Twitter)上にアップしたCM動画が物議を醸した騒ぎは、記憶に新しいのではないでしょうか。 看板商品である「マックフライポテト」のキャンペーンに合わせて、生成AIが創り出した架空の女性が次々に登場するものですが、この動画について視聴者から「不自然」「気持ち悪い」とネガティブな感想が寄せられました。 そもそもこうした人工的な実写キャラクターには、「不気味の谷」を越えられるかどうかという問題が付き物。「不気味の谷」とは、ロボットやAIなどが創り出す人工造形が、人間に似せようとすればするほど、その過程で嫌悪感を生むラインがある現象を指す言葉です。 今回のマクドナルドの動画は、長らく“顔”について関心を抱いてきた私にとっては興味深い事例でした。 一定以上のリアリティを伴う「顔」だったからこそ起こった、この騒....
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